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アポロンの光と闇のもとに──ギリシア悲劇『オイディプス王』解釈 川島 重成

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ISBN4-921091-07-2
四六判上製 280頁
定価:本体2,800円+税
装幀:辻村益朗+オーノ リュウスケ
2004年5月刊

それと知らずに父を殺害し、それと知らずに母イオカステを妻にした──そしてそれと知らずにアポロンの神託を成就してしまった──オイディプス、彼こそ全生涯にわたってアポロンの神託に操られ、振りまわされた男であった。しかしこのオイディプスは、自分の素姓を知って眼を突いた時、人の目には見えない真実を心の眼で見据え、それを世に証言する新しい生を歩み始める

世界は「偶然」の戯れの場なのか。「真理」と呼んでよい究極の価値は存在するのか。それとも一切の価値は相対的なものにすぎないのか。「真理」ははたして人を生かすのか。オイディプスとは誰か。特殊な人か。それともわれわれの誰もがオイディプスなのか。イオカステは私であり、あなたではないのか。

ギリシア悲劇の最高傑作の誉れ高いこの作品が内包する人間存在への深刻な問いは、今も読者あるいは観衆のひとりひとりに、その人なりの答を求めてやまない。同時に、アリストテレス以来賞讃をほしいままにしてきた筋のみごとな構成も、その秘密はどこにあるのかと、われわれに深い関心を呼びさまさずにはおかない。
(以上本書「まえがき」より)

[序説] 劇以前
1章 運命とアイロニー
2章 テイレシアスとクレオン
3章 イオカステとアポロンの神託
4章 イオカステと偶然
5章 第二スタシモンについて
6章 真理とダイモーン
7章 盲目のオイディプス
[補説]オイディプスのその後と最期
  -- 『コロノスのオイディプス』より

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