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小川亮太氏(エジプト・カイロ在住 32歳) 全文

 2011年3月11日に東北地方で発生した大震災、津波、そして原子力発電所の事故により、多くの人が故郷を失い、家族を失い、財産を失い、仕事を失いました。

 『パウロ神のライオン』は、今まさに、そのような苦難に直面した人すべてに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

 本書に描かれているパウロの姿は、われわれが普段、聖書の中で親しんでいる勇猛果敢な彼とは大きく異なり、ひたすら傷つき、衰弱し、のた打ち回り、孤独に苛まれ続ける、落伍者の姿です。築き上げた社会的地位や財産をすべて失いながら、神のみを求め続ける彼に安らかな時間が訪れることはありません。彼はいつ救われるのか、彼の人生はいつ幸福に満たされるのか、彼の人生の後半を知っている者ですらそのような問いを抱かずには読めません。

 著者テイラー・コールドウェルの豊かな描写と別宮貞徳 監訳による美しく読みやすい邦訳によって、読者はまるで映像を見ているかのようにパウロの半生に引き込まれ、それを追体験していきます。私自身がその中で見出したのは、パウロが畏怖し、すべてを委託し、追い求め続けたものの存在でした。

 苦境に立たされた現代社会の人々に一条の光をもたらす一冊があるとすれば、他でもなくこの本だと言えるでしょう。「神のライオン」は、そのたてがみから光を放ちながら、闇の中を歩む読者を先導していってくれるに違いありません。


永田洋一氏(埼玉県戸田市在住、40歳) 全文

 キリスト教徒ではなく、また、キリスト教に関する知識のほとんどない私にとって、『パウロ、神のライオン』が、自分の中でどこまで浸透していけるかという不安がいくらかあったのですが、それはすぐに一掃されました。

 この作品は、キリスト教徒以外の一般の人にもお勧めです。3部(3分冊)からなるボリュームでありながら、難しい表現やわかりにくい表現がなく、非常に読みやすい文体で、スムーズに読み進めることができます。

 各場面の風景や人物の動作、表情までもがリアルに伝わってくる描写に引き込まれます。

 今から約2千年ほど前の当時の社会や人々の暮らしぶりが、現代とほとんど変わらないことに非常に驚かされたのも印象的でした。

 私にとって想像上でしかない歴史上の聖なる人物パウロを、さまざまな感情を持つひとりの人間として身近に感じ、感情移入できたのは大変興味深い体験でした。

 キリスト教が世界に広がった第一歩が、情熱的で、不屈の精神力の持ち主である、このパウロという人物だからこそなし得て、彼がいなければ一体どうなっていたのだろうと思わずにいられません。

 何が彼を伝道旅行という行動に駆り立てたか、それは彼のそれまでの生き方そのものにあることを教えてくれる作品です。

 読後、それまで日頃の生活で、まったく意識することのなかったキリスト教ですが、新聞やネットなどのメディアでキリスト教関係の記事を目にすると、何気なく読んでいる自分がいます。

 この作品を多くの方に読んでいただきたいと思います。

 ちなみに、「目からうろこが落ちる」という言葉が、このパウロに由来しているとは、まさに目からうろこが落ちる思いでした。


■ 阿部れい氏(宮城県仙台市在住、91歳) 全文(原文のまま)

この度は素晴しい御本を読む事が出来まして感謝いたしております。 私実は人形作家(と申すほどでもございませんが)若い時からいろいろな人形作つてまいりましたが 主人が学生時代からクリスチャンでありましたため 私も40歳から信仰を持たせていたヾくようになり 人形もアブラハムから旧約聖書の人物を沢山作りました 最近ぜひパウロを作りたく思つていろいろ考へておりましたところ カトリック新聞により パウロ、神のライオンを知りまして早速拝読出来まして 早速送つて下さつてほんとに有難うございました。何しろ91歳の老齢となり二回繰返して読ませていたヾき はつきりとパウロといふ偉大な人物を実感する事が出来ました
この偉大な人物を、人形の姿に作る事少々恐れを感じております。目が一番問題でございます。 ほんとに素晴しい御本を読ませていただきましてありがとう御ざいました。感謝。


■ 山田雄亮氏(大阪府和泉市在住、64歳) 全文

はじめはカバーもなく安っぽい装幀と思っていたが読み進むうちいつのまにか、手中に入いる程身近になった。背中もしっかりしているしカバンにも出し入れ簡単すっきりしている。


■ 小田切猛氏(神奈川県川崎市在住、61歳)平成19年2月 全文

 『パウロ、神のライオン』は昨秋、一気に読ませていただきました。読みすすめていくうちに心躍らせたのは非常にきれいな言葉を使った翻訳で、その訳者の品と心にうたれてしまいました。それだけに内容の盛り上がりもこれまでに経験したことがないほどの高揚を覚え、読書の楽しさが倍増されたのでした。
 いい言葉を使ったいい文章というのはとても大切だと思うと同時に、それが使える人にめぐり合うことの大切さも感じています。易しい言葉を使いながら、適切な言葉で表現している本が少ない中で、『パウロ、神のライオン』がもっと知られてほしいと思っています。
 最初に一目見て感動したのは装丁でした。心奪われるような美しさです。この本にふさわしい文字の使用とレイアウトが読みやすさを生み、内容に一段と引き込まれることにつながっていると感心しています。
 いつもこのような美しい装丁の本に出会っていたいと思っています。
 私の少ない読書量の中で感じたことでした。


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