三陸書房




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 会社名  有限会社 三陸書房
 神奈川県鎌倉市今泉台七丁目16−6
 郵便番号:247-0053
 電話:0467-53-7831 FAX:0467-53-7841
 お問い合せメールアドレス: desk@sanriku-pub.jp
 業務内容   書籍出版
 書籍の企画・編集・校正請負、自費出版
 設立  1996年6月18日
 取締役 佐藤 康之
 社員  1名
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代表者の業歴  社名について  出版方針


■代表者の業歴
人生の猶予期間と当時とんだ考え違いをしていた大学を思いっきり遊び暮して卒業後、従事した家業(婦人用バッグの卸問屋)には結局適性なしと見きわめ、1968年、神田神保町すずらん通りの老舗の出版社、合資会社冨山房(1886年創業)に入社。
営業部に半年ほどいて後、編集部に在籍。最初の大きな仕事が、吉田東伍『増補大日本地名辞書』第6巻「坂東」の相模と江戸の部の校正。見たこともない漢字の出現また出現、歴史と文学の古典を自家薬籠中の物のごとく駆使する明治の碩学の文語文。それまで多少はいろいろな本を読んではいたが、これには目をむいた。尻込みしなかったのは、いま思えば健気。社内に諸文献がある。のみならず、すぐそばに世界一の古書店街がある。大いに勉強した。『地名辞書』編集チームのチーフは当時の編集部長青池竹次氏。柳田国男と折口信夫の門下で、盛名を馳せた戦前の冨山房に勤務された古典の深い教養と豊かな経験の持主。この方から、出版知識のみにとどまらぬ教えを受けた。この時の体験がその後の仕事のベースとなったように思われます。
74年から坂本起一社長(当時)の発意により冨山房に戦後再び設けられた児童書部門を担当し、主に絵本を編集刊行。75年刊アーノルド・ローベル/牧田松子訳『いろいろへんないろのはじまり』、モーリス・センダック/神宮輝夫訳『かいじゅうたちのいるところ』、76年刊安野光雅『かげぼうし』。77年刊少年少女向けファンタジー、キャサリン・ストー/猪熊葉子訳『マリアンヌの夢』が主なもの。
そのうち、冨山房戦前の出版物「冨山房百科文庫」に着目し、その新版を企画、77年、高杉一郎『新版極光のかげに』(解題:鶴見俊輔)を筆頭に、加藤周一・中村真一郎・福永武彦『1946・文学的考察』(解題:篠田一士)、キーツ/田村英之助訳『詩人の手紙』などを含む5点を第1回配本として創刊、96年までに53点を刊行。78年児童書の担当から離れ、一般向け書籍、主に冨山房百科文庫刊行につとめる。
編集に携わった単行本には、開高健『言葉の落葉』全4巻(79〜82年)、明治期冨山房刊『東京風俗志』覆刻版(90年)、伊藤正雄『心中天の網島詳解』新装版(91年)、ハリー・ケスラー/松本道介訳『ワイマル日記』上下(93、94年)、写真集エドワード・スタイケン編『人間家族 The Family of Man』(94年)などがある。81年に例外的に絵本、瀬川康男『ふたり』がある。
93年1月、編集部長を拝命。
96年6月、冨山房百科文庫の松枝茂夫訳『周作人随筆』(整理の後に:木山英雄)、ケン・キージー/岩元巌訳『カッコーの巣の上で』(冨山房戦後旧版の改訳新版)を送り出し、この2冊の刊行を最後に、合資会社冨山房を退社、同月、有限会社三陸書房を設立。
他社出版物の校正や自費出版などの編集プロダクションの仕事をしながら、98年11月、三陸書房初の出版物、荒井良雄編『英語文化手帳1999』(発売元:紀伊國屋書店)を刊行。そして2000年3月、初の単行本、川島重成『イエスの七つの譬え──開かれた地平』を刊行、今日に至っております。

 下記は、永く編集に携わった冨山房百科文庫についての拙文です。98年11月「週刊読書人」掲載のものに若干手を加えました。
冨山房百科文庫のこと
 冨山房百科文庫は、新書判サイズではありますが、「新書」でなく「文庫」です。この「新書特集」のなかでは奇異な言い方になりますが、「新書」とはベクトルを異にする「文庫」であることにこだわりつづけた叢書です。
 文庫といっても、「古典的名作から売れるものへと性格が変わったといわれる文庫」(大久保房男氏)、単に廉価版を意味する文庫が、おおかたの読者にはいよいよなじみやすくなっている現状では、「文庫」が本来持っていた古典・名著の重視という方針を貫くのは大変困難です。1977年4月に戦前の旧冨山房百科文庫の名称・判型・刊行方針の一部を継承して創刊の後、1996年6月の『周作人随筆』刊行まで、本叢書の編集に携わった者として顧みますと、この困難があればあるなりの工夫というものがあったはずで、それを摸索し、実効をあげる努力が足りなかったと、今ひとしお思われます。
 とはいえ、時代と時代をつなぎその底を流れて文化を支える水脈、読者の潜在的な知的欲求を喚起するものにみごと応えたと言える本は少なからずあります。その最大のものが、薄田泣菫『完本茶話』(谷沢永一・浦西和彦編、解説:向井敏)上中下です(ちなみに、最近岩波文庫で出た『茶話』の解説で、坪内祐三氏が叢書としての冨山房百科文庫を称揚され、さらに丸谷才一氏が毎日新聞でのその書評のなかで高く評価されました。両氏に感謝します)。そして、佐藤春夫『退屈読本』(解題:丸谷才一)上下、きだみのる『気違い部落周游紀行』(解題:米山俊直)、河上徹太郎/竹内好ほか『近代の超克』(解題:松本健一)、末弘厳太郎『嘘の効用』(川島武宜編)上下、ゲーテ『自然と象徴──自然科学論集』(高橋義人編訳・前田富士男訳)、シラー『美学芸術論集』(石原達二訳)、ペイター『ルネサンス』(別宮貞徳訳)、アーサー・シモンズ『象徴主義の文学運動』(前川祐一訳)、森銑三『おらんだ正月──江戸時代の科学者達』(解題:富士川英郎)、斎藤緑雨『緑雨警語』(中野三敏編)、C・S・ルイス『喜びのおとずれ』(早乙女忠・中村邦生訳)、P・マルヴェッツィ/G・ピレッリ編『イタリア抵抗運動の遺書』(河島英昭他訳)等々が、これに続きます。
 今日の日本および日本人に課されている問題を思いますと、その問題はますます数を増し、大きく、深くなるばかりです。それだけに、文化の土台をしっかりとした落ち着いたものにすることが緊要なわけですが、古典・名著が果す役割もここにあると思います。個々人がみずからの感じること、考えることを柔軟に洗い直し、練り上げ、思い思いに確たる形をとって表現することがダイナミックにおこなわれ、それがおのずと皆と共有することになる土台の形成をもたらして、その土台とのありうべき相互作用が起るようになるには、そもそも個の内面において古典・名著が包蔵する示唆の豊かさにひとかたならず触発されてこそのことでしょう。
 長い時間の割に寥々たる刊行点数でまことに口幅ったい次第ですが、こうした思念のもとに当文庫の本づくりに従事し、コスト・パフォーマンスの面はよいとは言えず心残りなことながら、さきの書物ほかを読者と共有しえたのは幸いでした。

■社名について
「三陸」は海産物やリアス式などで有名な東北地方の「三陸海岸」ではなく(小社代表の幼い頃育った地ではあります)、私どもの勝手な思いでしかないかもしれませんが「世界」を指しています。
「三」は調和のとれた安定感のある数字という感じを持っております。白川静『字通』(平凡社)で、「三は聖数とされ、その名数の語は千数百にも及び、〔駢字類編〕中の三巻を占めている」と特筆されているのも、もっともと思われます。
これまでの文明史をざっとおさらいしつつ、地球儀を眺めてみますと、三つの陸地に分けられるように見えてきます。いや見たくなります。「ヨーロッパ・アメリカ・アジアおよび日本」。別の言い方をすれば、「オクシデント・オリエント・日本」。六大州の分け方に則っておりません。地表をあまねく収める図式でもありません。これに「南北」をエクストラとして含みこんだものが、大風呂敷をひろげるようですが、小社の出版イメージ上の視野です。
■出版方針
モットー
・「私は人間だ、だから人間的なことで私に無縁なものは何ひとつない」
 (メナンドロス/テレンティウス)
・「喜びをどうしても手に入れたい人は誰でも、その喜びを他人と平等に分ち合わなければならない。/幸せは常に双子の状態でしか生れてこないもの」
  All who would win joy, must share it, /Happiness was born a twin.
  (バイロン卿/矢田申訳)
分野: 歴史・文学・芸術・思想・哲学・科学・西洋古典・キリスト教ほか
理念
 1. 基本姿勢として、日本および日本人の現在について考え、問いを重ねつつ、その実りを出版活動を通じて表現する。
 2. よりよい日本語表現による著作の提供を本位とし、日本語の伝統を尊重する。
 3. 文化上の「不易」面と「流行」面については、流行より不易を重視する。
 4. 書き下ろし主体に、ベストセラーよりはロングセラーを志向する。
 5. 高度な学問的達成を内容とする専門書においても、一般の人々になだらかに理解されるための工夫を施す。
 6. 機械製本・並製が主流の現状ではありながらも、1点1点内容に適合し、愛着の持たれる装幀・造本を心がける。




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